●葛そうめん
福岡からはあまり聞き慣れない「葛そうめん」を紹介します。
このそうめんを製造販売しているのは、創業文政二年(1819年)の「廣久葛本舗」です。
地元で知られているのはもちろんのこと、全国的にもこだわりの食材を紹介した雑誌やテレビにも数多く取り上げられているので、ご存知の方も多いかと思います。
少し葛について説明すると、葛の原料として使える葛(かずら)の根は30~50年も経ったもので、寒い時期に何度も何度も冷水で精製して、時間をかけて乾燥させて作ります。手間暇かかってやっと出来上がった葛粉は、なんと100キロから7~10キロしかありません。また体にもよく、昔から薬として使われていたことから「白い金」とも言われていたそうです。
とにかく葛は貴重な食材なんですね。
この時期、お店には、おだやかな涼を求め、地元の方をはじめ遠方からも多く訪れます。葛餅や葛切りと並んで、このそうめんもかなり人気があります。
もともと古文書に「葛そうめん」を発明したと書かれてあった製法をもとに、葛を50パーセント以上も入れた贅沢なそうめんなのです。
葛のなめらかな優しい舌触りや透明感が、そうめんになることで、柔らかだけど弾力のある、心地よいのど越しを生むのは想像していただけると思います。麺自体を味わうようなそうめんなので、シンプルにいただくのが一番です。
手間暇かけて作られた葛から、もう一手間かけられた「葛そうめん」をいただいて、残暑を乗り切ってみてはいかがでしょうか。