各地の女神&男神より

女性杜氏の日本酒ばなし(2)

広島発 吟醸酒誕生の地の女神

 

 そろそろ夏も終盤ですね。
 我々の仕事は冬がオンシーズン。では夏は何をしているかというと、体力作りと蔵や機械のメンテナンス、そして情報交換が必須事項です。
 酒造りをはじめた頃、冬場の重労働に参ってしまって、ジム通いを始めました。早いものであれから10年近くになります。
 今年はちょっとさぼり気味なので、これからラストスパートしなきゃ。
 私の筋力の目安は、1升瓶6本入りの約20キロのプラスチックケースが楽に持ち上がるかどうか。
 これを重いな、と感じるようでは要注意です。
 お米は(1)袋が30キロ。
 これだけは意地でも持てなければね。
 ほかに、夏には杜氏組合で勉強会をしたり、お互いの酒を持ち寄ってきき酒や研究会を開きます。
 よその蔵元に見学に伺うのも、この時期だからできることです。
 私も今年は、宮城県、山形県の7つの蔵に3泊4日で出かけました。
 広島と東北では原料のお米も気候もちがうのですが、参考になるところがたくさんありました。
 すぐ真似できることは、もちろんすぐ真似します。
 東京などでお目にかかることが多い蔵元や杜氏さんも、ご自分の蔵ではまた違った表情を見せて下さいます。
 蔵の建物はそのままその蔵の歴史だし、設備は蔵や杜氏の方針を体現しています。
 そして何よりもそのお酒が産まれた場所はその人が覚悟を決めて仕事をしている場所。
 自然と敬意を払う気持ちになれて、技術以上の何かをいただけたようです。
 こういう気持ちが冬の一番きついときに効いてくる薬です。
 地酒は、地方や風土、個性ある造り手よっていろいろ楽しめてこそ価値が作られるもの。
 おいしいお酒がたくさん市場に出回ることが、何より市場を活性化して日本酒のファン獲得に繋がります。
 だから我々はライバルであり、同志でもあります。
「全国で1000蔵がいろんなタイプの美味しいお酒を造っている、という位がいいバランスじゃない?」とはある杜氏兼社長の言葉。
 お酒の美味しい季節、秋ももうすぐです。